薬剤師の年収は低い?経験年数・企業規模・男女別の平均と比べる
結論から
薬剤師の月の給与は、働いた年数が長いほど高く出ます。国の統計(令和5年)で、企業規模10人以上の会社で働く薬剤師の平均を見ると、0年目は月30.7万円、5〜9年は36.1万円、15年以上は44.7万円です。年収の目安にすると、373.7万円、512.5万円、621.0万円になります。
ただし、年数の順にいつも上がるわけではありません。男女別や会社の大きさ別に分けると、数字の並びが変わります。このページでは、同じ統計を「経験年数 × 企業規模 × 男女」の表に組み直しました。区分ごとの人数も添えているので、数字がどのくらい頼れるかも分かります。
数字は、厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』第14表(2023年6月分の給与。賞与は2022年1年間)です。
薬剤師の給料が低いと感じたら、転職前に比べること
同じ経験年数の人と比べて、給料が低い気がする。5年目から14年目の薬剤師に、よくある悩みです。
比べる物差しがないと、「低い気がする」は気持ちのままです。平均を確かめると、本当に低いのか、同じくらいなのかが分かります。平均より低くても、それだけで職場を変える理由にはなりません。まず数字を知るところから始めましょう。
薬剤師の年収・月給の平均を経験年数別に見る
下の表の「年収の目安」は、所定内給与額(毎月決まって支給される給与から、残業代をのぞいたもの)× 12 + 年間賞与その他特別給与額で組み立てた数字です。この記事での計算で、額面です。手取りではありません。
| 経験年数 | 月の給与(所定内給与額) | 年収の目安 | 区分の人数(推計) |
|---|---|---|---|
| 0年(今年入った) | 30.7万円 | 373.7万円 | 約8,270人 |
| 1〜4年 | 34.7万円 | 490.5万円 | 約26,070人 |
| 5〜9年 | 36.1万円 | 512.5万円 | 約23,560人 |
| 10〜14年 | 40.4万円 | 588.3万円 | 約11,370人 |
| 15年以上 | 44.7万円 | 621.0万円 | 約38,560人 |
表を見ると、次のことが分かります。
- 0年と15年以上の差は、月の給与で14.0万円です
- 1〜4年から5〜9年への差は月1.4万円と小さく、5〜9年から10〜14年は4.4万円、10〜14年から15年以上は4.3万円です
- 人数がいちばん多いのは15年以上で、約38,560人です。5つの区分を足すと約107,830人で、これは調査に含まれた企業(従業員10人以上)で働く薬剤師の推計です。全国の薬剤師の人数ではありません
薬剤師の平均年収は男性・女性でどう違う?
同じ企業規模計で、男女に分けた表です。
| 経験年数 | 月の給与(男) | 月の給与(女) | 年収の目安(男) | 年収の目安(女) | 人数(男) | 人数(女) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 0年(今年入った) | 31.6万円 | 30.2万円 | 387.3万円 | 365.6万円 | 約3,120人 | 約5,150人 |
| 1〜4年 | 37.2万円 | 32.9万円 | 529.0万円 | 463.4万円 | 約10,770人 | 約15,300人 |
| 5〜9年 | 36.8万円 | 35.3万円 | 527.9万円 | 498.0万円 | 約11,430人 | 約12,120人 |
| 10〜14年 | 42.7万円 | 38.2万円 | 618.4万円 | 559.8万円 | 約5,530人 | 約5,840人 |
| 15年以上 | 49.7万円 | 40.9万円 | 679.9万円 | 576.4万円 | 約16,610人 | 約21,950人 |
- 0年では男女の月の給与の差が1.4万円ですが、15年以上では8.8万円(年収の目安で103.5万円)に開きます
- 男の月の給与は、1〜4年(37.2万円)より5〜9年(36.8万円)のほうが低く出ています。この統計は同じ人を追いかけたものではなく、年数ごとに別の人たちの平均です。そのため、こうした並びも起きます
この表からは、差の理由は分かりません。勤務時間や役職、勤続年数など、表に出ていない違いも含まれます。
薬剤師の平均年収を企業規模別に比べる
企業全体の従業員数で分けた表です。男女計で、経験5〜9年と15年以上を取り出しました。
経験5〜9年
| 企業全体の従業員数 | 月の給与 | 年収の目安 | 区分の人数(推計) |
|---|---|---|---|
| 全体(規模計) | 36.1万円 | 512.5万円 | 約23,560人 |
| 1,000人以上 | 35.2万円 | 516.8万円 | 約8,670人 |
| 100〜999人 | 35.5万円 | 499.7万円 | 約11,650人 |
| 10〜99人 | 40.2万円 | 546.8万円 | 約3,240人 |
経験15年以上
| 企業全体の従業員数 | 月の給与 | 年収の目安 | 区分の人数(推計) |
|---|---|---|---|
| 全体(規模計) | 44.7万円 | 621.0万円 | 約38,560人 |
| 1,000人以上 | 41.2万円 | 608.2万円 | 約10,030人 |
| 100〜999人 | 42.6万円 | 599.9万円 | 約13,570人 |
| 10〜99人 | 49.0万円 | 648.7万円 | 約14,960人 |
10〜99人の会社の平均は、5〜9年で月40.2万円、15年以上で49.0万円と、1,000人以上の会社(35.2万円、41.2万円)より高く出ています。差は、5〜9年で5.0万円、15年以上で7.8万円です。
ここで気をつけたいのは、人数です。10〜99人の会社は、同じ区分の人数が少なくなります。たとえば、経験0年・10〜99人の区分は約760人しかいません。ツールでは、1,000人未満の区分に「人数が少ないので、平均はぶれやすい数字です」と添えています。
また、この統計は薬剤師を1つの職種として集計しているので、職場の種類(調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業)別の値は出せません。残業代や手当の込み方、勤務日数も職場ごとに違います。10〜99人の会社のほうが高く出ることは、そちらの職場が得だという意味ではありません。
自分の数字を入れてみる(計算の例)
計算ツールでは、経験年数・企業全体の従業員数・男女の区分・月の給与(残業代をのぞく)・1年間の賞与を入れると、同じ区分の平均との差を言葉で返します。入力は画面の中で計算するだけで、送信も保存もしません。
下は、この記事で置いた入力の例を3つ入れたときの出力です。計算の例なので、実在の人の数字ではありません。
| 計算の例 | 入れた数字 | 区分の平均 | 差 | 区分の人数 |
|---|---|---|---|---|
| 1つ目 | 経験5〜9年・規模は「わからない・全体」・男女計。月33万円、賞与70万円(年収の目安は 33×12+70 = 466万円) | 月36.1万円、年収の目安512.5万円 | 月は3.1万円低く、年収の目安は46.5万円低い | 約23,560人 |
| 2つ目 | 経験10〜14年・1,000人以上・女。月38万円、賞与100万円(38×12+100 = 556万円) | 月36.4万円、年収の目安541.3万円 | 月は1.6万円高く、年収の目安は14.7万円高い | 約1,600人 |
| 3つ目 | 経験15年以上・100〜999人・男女計。月42万円、賞与90万円(42×12+90 = 594万円) | 月42.6万円、年収の目安599.9万円 | 月は0.6万円低く、年収の目安は5.9万円低いので「同じくらい」 | 約13,570人 |
「同じくらい」は、月の差が上下1万円未満、年の差が上下10万円未満のときです。それ以上は「高い」「低い」と、差の万円を添えます。
薬剤師の給与 目安チェック(同じ経験年数の平均と比べる) ›計算・データのツール出力の最後には、次の一言を添えています。「平均より低くても、それだけで職場を変える理由にはなりません。残業代や手当の込み方、勤務日数が違うと、数字は変わります。」
平均より低いと分かったら
数字が低かったとき、すぐ職場を変える必要はありません。順番に、次を確かめます。
- 給与明細で、基本給・手当・残業代・賞与を分けて見直す。月の給与が同じでも、残業代が多いと基本給は低いことがあります
- 薬局長や上司に、勤務の日数・時間・店舗・業務の分担を相談する
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